月刊基地moratorium

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熱血ラブコメっていいよね!という話

 今さら言われなくてもわかっとるわ!って感じですけど、改めてそう思いました。きっかけはこの作品です。

美少女作家と目指すミリオンセラアアアアアアアアッ!! (角川スニーカー文庫) 美少女作家と目指すミリオンセラアアアアアアアアッ!!2 (角川スニーカー文庫)  

「美少女作家と目指すミリオンセラアアアアアアアアッ‼/春日部タケル

 今僕が一番注目している作品でして、アニメ化もした脳コメ作者の最新作です。

 

 あらすじの紹介はここでは省かせてもらいますが、この作品、主人公が終始一貫して熱血漢なんです。トラウマ持ちではあるものの、作中でほとんどヘタレない。主人公はずっと同じ信念である「編集者として作家に大ヒット作を書かせたい」という想いを持って行動する。それがとても清々しい。しかもその信念が「出世したい」とか「女の子にモテたい」とかの私利私欲に駆られたものじゃなくて、本質として、作家(ヒロイン)のことを一番に考えているからこその信念であり、だからこそ主人公が実にかっこいい。こりゃモテるわけですよ。なんなら僕が惚れました。

 あとこの作品、多くの熱血系作品同様に、山場が最高に盛り上がるんですけど、そこにこの作品ならではの特徴がありまして、この作品、山場のほとんどが会話文で進行するんです。(とくに二巻にその傾向が強いのですが)主人公とヒロインの対話のみ。情景描写も主人公の心情描写もなし、半ばト書きのようになっている。でも、それを読み手に意識させることはなくて実に自然なんです。

 そしてその山場ですが、主人公とヒロインが言い争ってお互いの信念をぶつけた後、主人公がヒロインに「自分がいかにヒロインのことを(クリエイターとして)想っているか」ということを優しく、それでいて熱く諭す。それは会話しかないシーンなんですが、むしろそれ故に、とてもリーダビリティに富んでいて、のめり込むようにページをめくってました。最高の山場です。ヒロインが目に見えて”落ちる”場面でもあります。

 僕はこれまでしっとりとした話、いわばヘタレ主人公が一通り思い悩んだあとに決断してアクションを起こすという話ばかり読んできました。その山場は主人公の葛藤にあり、あふれる心情描写こそ華だとさえ思っていました。だけどそれだけじゃないんだなと、むしろラノベにおいてはこれぐらいすっきりした主人公のほうがかっこいいと思いました。もちろん、どちらにもそれぞれの良さがあって、それには個人の好みが多分に影響することもわかってるんですが、それでも、、、

 ああ、書きたい。熱血主人公が書きたい!

 今GA大賞に向けて書いている小説はがっちがちのヘタレ系主人公の物語なのでどうしようもありませんが、これが書き終わったら次に書く話は熱血ラブコメで行こうと思います。

 もちろん、GAのほうも頑張ります。