月刊基地moratorium

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かんなぎ

 dアニメストアでアニメ『かんなぎ』を観ました。オープニング「motto☆派手にね!」で青髪のアイドルが「まだまだ地・味・だ・NE!」と歌って踊る姿が印象な作品ですね。あの80年代アイドル感がずっと気になっていました。

anime.dmkt-sp.jp

 さて、かんなぎです。

 dアニメストアの説明には「お茶の間感覚伝奇ストーリー」とあり、ジャンルも「SF/ファンタジー」とあるので今まで見逃してきましたが、一通り観てみるとこれはいいラブコメだなと。というかゴテゴテに王道のラブコメだなと。かわいいヒロインが3人もいるし、その構成もナギ(メインヒロイン、主人公が作った木彫りの人形で顕現した神様)、青葉つぐみ(主人公の幼馴染、世話焼き)、ざんげちゃん(ナギの妹、主人公にアピールする小悪魔的存在)と王道ラブコメ的布陣。しかも主人公は一人暮らしですからね、一人暮らし。オタクなので主人公が一人暮らしをしているラブコメに絶対的信頼を寄せている。

 てかこれ、落ちもの系*1なんだよな。何をやっても中途半端な主人公のもとにナギという神を自称する美少女が現れて一つ屋根の下で同居することになる。わがままなナギに振り回されて主人公はうんざり、だけどちょっと気になったり。世話焼きの幼馴染は主人公の意識がナギに向かうことにちょっと胸を痛めたりしていて、しまいには主人公にアタックする後輩属性の小悪魔的ヒロインまで登場して…。という大まかな流れだけを読んでもいくつもの作品が頭をよぎるほどの王道っぷり。ただかんなぎがすごいのは、王道だからといってテンプレに終わっていないところ。ヒロインはみんな個性的かつ魅力的。主人公の素直になれない思春期高校生男子感もラブコメ的に非常にgood。主人公とヒロインの周りを彩るサブキャラたちもにぎやかで楽しい日常を演出している。作画や演出もピカイチで、いやほんと全てが丁寧なんですよね。基本はコメディ調なんだけど根底にあるのはちゃんと”温かさ”なんですよ。特に第七幕「キューティー大ピンチ!激辛ひつまぶしの逆襲(後篇)」とかさあ…………すき。

 好きな回を挙げると、第十幕「カラオケ戦士 マイク貴子」を語らずにはいられない。

 この回、一話まるごとカラオケのお話。僕はアニメのカラオケ回が大好きでですね。というのも、カラオケ回には高校生の全てが詰まっていると思うのです。カラオケでの選曲ってのは人となりを表しますから選曲によってキャラに対する解像度が上がるってのもあるし、人前で歌うのがちょっと恥ずかしかったりする思春期心だったり、逆にわき目も振らずに盛り上がったりするJK感だったり、つまるところカラオケってのは青春なんですよ。だから主人公たちがカラオケに行って歌うだけの回がほんとうに好き。キャラソンとか歌ってくれた暁にはテンションがぶちあがります。アニメキャラはみな等しくカラオケ回でキャラソンを歌ってくれ。そんなカラオケ回の全てがかんなぎ10話には詰まっているのでこのためにもぜひ観てほしい。てか、「ハロー大豆の歌」ってかんなぎの曲だったんだ…知らなかった。壮絶な色気ェ…

 あと作者の武梨えりさんはTYPE-MOON原作アニメーション制作ufotableでアニメ化が発表された『Girls' Work(ガールズワーク)』のキャラクター原案でもあるんですよね。キービジュがまたいい絵なんですよ。楽しみですね~~~。

ガールズワーク -アニメ公式サイト-

 ガールズワークアニメ化発表は2010年なのであれから10年ほど経っていますが……。