月刊基地moratorium

文章の置き場

MENU

氷堂美智留と北原春希に影響されるオタクの図

 まずは何も言わずにこの動画を見てくれ。


【WHITE ALBUM 2】 学園祭メドレー! / “Live at Campus Fes” Medley! 【Guitar Cover】

  言うまでもなく、WHITE ALBUM2でかずさと春希と雪菜が演奏した伝説のステージ。そのギターカバー動画なんだけど、これがめちゃくちゃかっこいい!うまい!

 特にSOUND OF DESTINYのギターソロは圧巻。僕は素人なので技術うんぬんはまったく分からないんだけど、指がぎゅいんぎゅいんしててすごい(語彙力)。そりゃあ原作で、周囲の人間がハラハラしながら、ここの春希のギターソロを固唾を飲んで見守っていたわけです。それと同時に、春希はこれを短期間でマスターしたのかと驚きます。かっこいいぞ北原春希。色々言われているけど、僕は春希くんのことが大好きです。

 

 ・・・

 

 丸戸作品でもギターって結構出てくると思うんです。ホワルバ2の北原春希、こんにゃくの星野航のアコギ。そして、冴えカノの氷堂美智留です。

 僕、氷堂美智留好きなんですよ。てか冴えカノ4巻の完成度があまりにも高すぎて、僕のなかで神格化されている節がある。

 ここで、氷堂美智留と彼女の当番回である4巻について少々語ることにします。

 彼女、氷堂美智留の、年齢も生まれた日も生まれた場所も一緒で、あろうことか倫也の家に押しかけて居候することになって、さらには子どもの頃の近すぎる距離感のままコスプレ技をかけくるとかいうあまりに狙いすぎな属性。ともすれば安易にテンプレに陥りそうなキャラ性を、丸戸お得意の会話劇と伏線回収により、キャッチーでいて小さく外した、唯一無二の生きたキャラに仕立てている様はさすがとしか言いようがない。

 特にここでの伏線回収が僕は本当に好きで、2巻で倫也が加藤に語って聞かせた「イトコがどれだけ頑強なフラグか」。それを証明するために話した「山で迷子になった女の子を、イトコの男の子がおんぶして助ける」エピソードが、実はそっくりそのまま倫也と美智留の実体験だったというブーメランになっていて、そこから倫也の美智留への気持ちが分かってしまうという、なんとまあ丸戸節炸裂な伏線回収になっているわけです。伏線を回収するごとに、登場人物たちの心情が変化したり分かったりする演出が氏は本当にうまいですよね。

 深崎暮人氏のキャラデザも最高です。ショートヘア―の女の子が見せる活発さに、しっかり女の子らしさが内包している。この2面性がうまい。美智留はサービスシーン多めのキャラだからそういった挿絵が多いわけだけど、それらにも、女の子としての艶めかしさとコメディ作品としての楽しさが同居していて楽しい。特にギターを持って上目遣いでこちらを見てくる4巻表紙絵とか、これだけで氷堂美智留というキャラが立ってしまっていて息を飲んだ次の瞬間には会計を済ませていた。

 4巻のエピソードもまた好きなんだよなあ。読んだ人にはニヤリとして頂きたいところだが、この4巻、あっ、と驚く事実が明かされる展開がある。バンド活動をしていてオタクとは相いれない非オタクかと思われた美智留。けれど、彼女の所属するバンド「icy tail」が、実は美智留以外のメンバー全員がオタクだと明らかになって、美智留の意思に反してアニソンライブをやることになる流れは、なんともまあご都合主義ここに極まれりな展開で、心地いい。メタ的で、ご都合主義的で、それでいて小さくオチを外してくる感じが「これぞ冴えカノ」だと思わせるエピソードであると思う。

 また、

「美智留……お前の周りの世界は、お前が思うより、ちょっとだけオタクっぽいんだよ」

 だったり、

「見栄、張るよ……女の子なら、さ」

だったり、

「ここがあの女のライブハウスね……」

 だったりといった名言(最後のは迷言?)が出てくるところも4巻の見どころ。恵と英梨々が名前で呼び合うようになるのもこの巻からで、色々と重要な4巻なわけです(まあ冴えカノはコロコロと人間関係というか距離感が変わっていくのでその意味ではどの巻も重要だって言えるんだけど笑)。

 

 ・・・

 

 といった具合にミッチーへの想いの丈を書き連ねていたら本題に入り損ねた。

 …ええっと、ここでこの記事のタイトルに戻るんですけど、「氷堂美智留と北原春希に影響されるオタクの図」とはどういう意味か。まあそれはもったいぶるまでもなく、「北原春希や氷堂美智留に憧れる僕は、実はかなり前からギターを始めたいと思っているんですよー」、っていう他人からしてみればクソどうでもいいことだったりします。

 僕もギターの練習をして、いつか冒頭で紹介した人みたいにホワルバ2とか冴えカノの曲を弾きたい!そんなことを思っていたんですが、大学に入学してもうすぐ3年。いまだギターには触れていません。楽器屋には何回も足を運んだんだけど、冴えないオタクであるところの僕が、自分と異なるフィールドで、リア充の代表たる店員さんに話しかけれられるはずもなく…、だらだらとYouTubeで弾いてみた動画を眺める日々。

 そんなこんなで、本日12月15日の朝方。ふと、自分の好きなキャラ、つまり氷堂美智留の使っているギターでなら始められるのでは!?と思い至り(天才かな?)、さっそく「氷堂美智留 ギター」と検索をかけてみたわけです。そこで僕は愕然とします。

 氷堂美智留のギターについて考察している人が全然いねえ!

 いや一人いらっしゃったんですよ。ミッチーと春希くんのギターについて考察をしていて、あまつさえ再現している人が。でも同じようにTwitterで「氷堂美智留 ギター」と検索しても同じ人が出てくるだけだったのはちょっと意外でしたね。もっとみんなミッチーの使用しているギターについて気になっているもんだと思ってましたから。おっかしいなー氷堂美智留は大人気キャラのはずなんだけどなー。だれだ!新旧ともにBlessing softwareに所属していてかつゲーム制作において重要な音楽を担当しているのにぶっちゃけサブヒロイン扱いされてるよねとか言ったやつは!正直出海ちゃんにも食われてるよねだと!許せねえ、表に出(以下略

 

 …取り乱しました。

 ちなみに再現している方のブログは以下参照。すごいですよ。

https://cigarcat.wordpress.com/2015/05/24/saekano_michiru_guitar/

 

 この方のおかげでどのギターかは判別しまして、どうやらミッチーのギターはESP社が所有しているブランドGrassRootsのG-CL-58-IIを赤色にアレンジしたもの、だそうです。残念ながら、そっくりそのままミッチーの赤色のギターが売られている、ってわけじゃないようですが、これで活路は見いだせたかな、と思うのも束の間。そのGrassRoots G-CL-58-II、もう製造されていないらしく、ヤフオクを覗いてもどこにも売りに出されてない。一応、新しいモデルが出てるんですけど、やっぱり違うわけですよ。外見目当てなのにそれじゃダメでしょ、ってことで、これから美智留のギターを探す旅に出ようかな…、と思ってます。ギターショップ巡りか…、ほんとギターショップってリア充感やばくて、オタクの僕には色々と近寄りがたいものがあるんだけどさあ…。大須行くかあ…。

(まったく関係ない話なんですけど、せっかく名古屋に住んでいるんだから「大須巡りwithめもらるクーク」と題した聖地巡礼をコラムで連載したいなあ、なんて思ってます。めもらるクーク読み直さねば)

 

 ・・・

 

 ちなみに、美智留のギターは、ファンタジア文庫大感謝祭2016で、公式が作って展示していました。以下アキバBlogさんの記事を貼っておくので気になる方はどうぞ。その写真からも美智留のギターがGrassRoots G-CL-58-IIの色違いだと確認できます。

 

blog.livedoor.jp

 

 あと上の記事から、霞詩子著、不死川ファンタスティック文庫版「恋するメトロノーム」の1,2巻も展示されてることが確認できるんですけど、その表紙絵が僕は狂おしいほど大好きです。

 叶わなくていい、叶わなくていいから霞詩子の作中作「恋するメトロノーム」か「純情ヘクトパスカル」を丸戸さんに書いてほしいな、とインターネットの片隅で独り言ちることにします。それ以前にエロゲに戻ってきてほしいという切実な意見が(以下略

 

・追記(2019/02/07)

 「恋するメトロノーム」はWHITEALBUM2がモデルだし、「純情ヘクトパスカル」は冴えカノ自身がモデルになってるんだから実質もう書いてるようなもんだろ、と僕は気付いてしまって、聡明な読者の方々もそう言いたいことと思われるが、まあでも読みたいじゃん?と返しておくことにします。